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米国にて注目の経済指標が相次いで発表。実質GDP成長率は上方修正、雇用統計は強弱混在

米国の実質GDP成長率、上方修正

 先週(11月28日~12月2日)、米国では、市場関係者などが注目する重要指標とも言える経済指標が相次いで発表されました。

 まず、29日に米国商務省から実質GDP成長率(季節調整済み)の改定値が発表されています。内容を見ると、2016年7~9月期の成長率は前期比年率3.2%増と、10月28日に発表された速報値(同2.9%増)から上方修正されました。

2016米GDPQ3改

 各需要項目について、速報値からの修正内容を見ると、個人消費が同2.8%増と、速報値の同2.1%増から上方修正されたほか、また、住宅投資が同4.4%減と、速報値(同6.2%減)に続くマイナスながら、上方修正されました。

 ただ、その一方で、民間設備投資が同0.1%増と、速報値の同1.2%増から、下方修正されました。「構築物への投資」が同10.1%増と速報値の同5.4%増から大幅に上方修正された一方、「機器への投資」は同4.8%減と速報値(同2.7%減)から下方修正されました。そして、在庫投資の成長率寄与度もわずかに下方修正されました。このほか、政府支出も下方修正されています。

 なお、外需に関しては、輸出が僅かながら上方修正され、同10.1%増となった一方、輸入が僅かながら下方修正され、同2.1%増となったことで、純輸出の成長率寄与度は上方修正され、成長率への押し上げの度合いが、若干、強まる格好となりました。

米GDP2016Q3改定内容

設備投資の内容から企業部門の停滞感が浮上する格好に

 そして、実質GDP成長率の前四半期からの変動に着目すると、2016年7~9月期の成長率は4~6月期の同1.4%増から増勢が大きく加速しました。

 各需要項目では、輸出の躍進や在庫投資の寄与度のプラス転換が全体の押し上げに寄与したほか、GDPの約7割を占める個人消費が4~6月期の同4.3%増からは鈍化したものの、引き続き、全体を下支えしています。反面、設備投資が小幅なプラスに留まりました。つまり、7~9月期の成長率では、設備投資の内容から、企業部門の停滞感が浮上する格好となっています。

 こうしてみると、米国における企業部門の動向がいささか気掛かりとなる内容とも言えます。

 ただ、12月1日に発表された11月のISM製造業景況感指数は53.2と、前月から1.3ポイント上昇し、3カ月連続の改善となりました。ちなみに、製造業に関しては、11月16日に鉱工業生産指数が発表されており、このうちの製造業でも比較的良好な内容が示されました。

 実体面の良好な内容に続き、企業マインドで力強さが示されたことで、米国の製造業に関しては、先行きに対する安心感が強まる可能性もあり得ます。

雇用統計は強弱混在

 一方の家計部門については、今後の動向のカギを握ると見られる雇用統計が、12月2日、労働省から発表されました。その内容を見ると、まず、11月の失業率は4.6%と、前月の4.9%から大きく低下しています。

 ただ、失業率との関連で注目される労働参加率も62.7%と、10月の62.8%から0.1ポイント低下しました。米国では、このところ失業率と労働参加率がともに低下する状況が続いており、就職活動を断念し、労働市場から撤退する求職者数の増加が懸念されます。

 一方、同時に発表された11月の非農業部門雇用者数は前月比17万8000人増と、前月の同14万2000人増から増勢が加速しました。10月に関しては、前回発表時の同16万1000人増から下方修正された一方、9月の雇用者数は前回から一段と上方修正され、同20万8000人増と、増加数が2カ月ぶりの20万人台となっています。9月の20万人台回復から、10月には反動で調整が入り、11月に再び回復…といったところでしょうか。

201611米雇用統計

 業種別では、建設、卸売、不動産などが増加した一方、製造、小売、情報関連などは減少しました。このように、雇用時計は、強弱混在するまちまちの内容だったと言えるでしょう。12月の雇用状況によっては、10~12月の個人消費の増勢がさらに鈍化する事態もあり得るのではないでしょうか。

 さて、米国では、今後、FRB(米連邦準備理事会)による利上げ実施の可能性や次期大統領による政策実施に対する見方などに対し、米国経済の先行きへの影響の観点などから注目の度合いが強まると考えられます。
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