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米国の実質GDP成長率、確定値で下方修正。世界経済の状勢如何で設備投資がさらに抑制される可能性も

米国の実質GDP成長率は下方修正により前期比年率3.2%増に

 12月21日、米国商務省から最新の国内総生産(GDP)が発表されました。それによると、2017年7~9月期の実質GDP成長率(季節調整済み・確定値)は、前期比年率3.2%増でした。

 11月30日に発表された改定値(同3.3%増)からは僅かな下方修正となったものの、前四半期の同3.1%増から上昇すると同時に、2015年1~3月期(同3.2%増)以来の高い伸びを達成しました。

 内需関連項目の改定内容に着目すると、まず、個人消費が同2.2%増で改定値の同2.3%増から下方修正されたほか、在庫投資の寄与度、および、輸出の下方修正に伴う純輸出の寄与度も下方修正されました。一方、住宅投資および輸入がマイナスながら上方修正されたことに加え、政府支出も上方修正(確定値:同0.7%増←改定値:0.4%増)されました。

 また、個人的に特に注目している民間設備投資については、同4.7%増と改定値からの変更はありませんでした。

2017米GDPQ3確定内容

設備投資および輸出の増勢鈍化が継続中

 続いて、各需要項目の変動に着目すると、まず、GDPの約7割を占める個人消費が4~6月期の同3.3%増から若干大きめの増勢鈍化となりました。前四半期の大幅な伸びを受け、調整が入った可能性も指摘できる一方で、8月上旬にテキサス州、9月上旬にはフロリダ州と、2カ月続けて米国を上陸した大型ハリケーンの影響の可能性も考えられます。

 一方、設備投資についても、1~3月期の同7.2%増から4~6月期の同6.7%増を経て、2四半期連続の増勢鈍化となるなど、比較的高い伸びの達成ながら、若干、気掛かりな推移となっています。ちなみに、設備投資の構成項目のうち、「構築物への投資」が同7.0%減と前四半期の同7.0%増から急速に落ち込んだ一方、「機器への投資」は同10.8%増と前四半期の同8.8%増から増勢が加速しました。

 また、在庫投資が2四半期連続で成長率の押し上げ要因となり、7~9月期は前四半期と比較して、その押し上げ度合いが大きく増しています。

 そして、企業部門の経済活動にも影響を及ぼすと考えられる外需に目を転じると、輸出が1~3月期の同7.2%増を直近ピークに2四半期連続の増勢鈍化、一方、輸入は6四半期ぶりにマイナスとなりました。

大型減税の米国経済への効果にも期待

 以上を踏まえ、企業部門の関連項目を見ると、設備投資と輸出の増勢が徐々に鈍化するなか、在庫投資の寄与度の影響度が増しているといった状況です。

 こうした在庫投資の寄与度の上昇は、成長率の押し上げ要因となる反面、意図せざる在庫の積み上がりつつある実態を示しているという側面をも垣間見せます。そして、この意図せざる在庫の蓄積は、先行き、企業部門における生産活動の停滞から、設備投資の抑制につながるワケです。

 こうしてみると、今後の世界経済の状勢如何によっては、企業部門の先行きに暗雲が漂ってくるかもしれません。

 もっとも、こうした見方に対し、企業部門をめぐる明るい材料も浮上しています。具体的には、12月20日、連邦法人税率を35%から21%に引き下げる税制改革法案が議会を通過、これにより、10年で1.5兆ドルという大型減税が実現する運びとなりました。

 この大型減税の実施を見越した効果が前倒しで浸透してくれば、企業部門の設備投資の再拡大につながる展開も期待されます。さて、米国経済は、今後、どのような動きを見せるでしょうか。

2017米GDPQ3確

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